あれアニメ化すんの!?
と思ったのも束の間。
今や地方局でも放映しているらしいじゃないか。
魂も月まで吹っ飛ぶこの衝撃。
しかし、あの作品がヒットするのは必然だった。
かの文豪、オスカー・ワイルドも言っている。
この世の作品には二つしか種類がない。面白いか、そうでないか。
この作品は、面白い。
だから評価されるのだ。
しかし、何故Hentaiエロ漫画がヒットしたのか?
理由を述べよう。
あれは”知的”だ。そう断言する。
かつて異世界のような”存在しない何か”をレビューするという試みをした作家が居た。有名な例で言うと二十世紀アルゼンチンの大文豪ホルヘ・ルイス・ボルヘス。彼は伝奇集という作品のなかで”存在しない本のレビューをする”という試みをした。これは画期的で、尚且つ文学上に於ける新しい試みだった。
ボルヘスだけではない。“ソラリスの陽のもとに”や“砂漠の惑星”で知られるポーランドのSF作家スタニスワフ・レムも“完全な真空”にてこの手法を用いた。
アルゼンチン、ポーランドとこの血脈は続き、やがて現代日本というド変態性癖歪みまくりランドに辿り着き、化学反応を引き起こした――かどうかは知らないが、もう一度言う。
この作品は知的で、画期的なのだ。
かつての文豪たちが用いた高等な表現手段を、一見俗っぽくてエロいだけの漫画に落とし込んでいる。
これこそエンターテインメントの神髄だと言えるだろう。
そして、もうひとつ売れる要因がある。
エロい。
そもそも絵が上手く、さらに特異過ぎるシチュエーションが次々と襲い掛かってくる。妄想を司る脳機能もアドレナリンが大放出、百年物のインポテンツも一発解消、ギンギンに直立。
そして、あぁ……
百万回ヌいたね、これ。
※追記
ちなみにこの”存在しないものを”レビュー”するという表現方法は、フランソワ・ラブレーの”ガルガンチュワとパンタグリュエル”ぐらいから存在している。
じゃあ画期的じゃねーじゃん、古臭いけど面白いアイデアが脈々と続いているけじゃねーかとお思いになる方もいるかもしれない。
そう考えた貴方は、甘い
最初に言った筈だ。
面白いものは、面白い。
それを理解して頂けたならば、とっとと買いなさい。な〇う系の異世界小説なんか読む前に。