崇めよ我は全知無能なり

※現無職なので遠くない未来に失踪します

死体の山がスマイルをお届け~Lobotomy Corporation~ (並びに、SCP)

少年時代――病的なレベルではないが”捕食されたい願望”があった。
見習い魔女みたいな少女に大鍋で煮られて、
そのまま喰い殺されないかな、という妄想を抱きながら、
昼休み時の小学校の廊下を彷徨って記憶がある。
……
佐○一政?
いや、文章導入部の掴みだよ。
太宰治とか良くやるじゃねえか。
”メロスは激怒した”と同じ使い方だよ。

まあ”捕食されたい願望”については無くなった。
理由?
いや、痛いの嫌なんで。
俺ロブスターじゃねえから。確かに五右衛門風呂と同じで皮膚は赤くはなるだろうけど、茹でられたら熱傷で苦しみ悶えるから。
それでもって望み通りに少女に捕食されたとしても、
痛覚はおろか生態反応が消滅している俺には”旨味”がねえだろ
というか捕食されたい願望が消え失せている時点で旨味もクソもあるまいに。
しかしだな。
今の俺は――”人を捕食しまくる奴”に悩まされている。
そいつはゲームのなかに居る。

f:id:Kaitenshiki666:20200403064259j:plain

store.steampowered.com
Lobotomy Corporation。
初プレイではないが、正式版が発売された2018年はアジア圏逃亡巡りで遊んでいる暇がなく、steamにダウンロードしたまま眠らせている状態だった。
先に言っておくが――かなりムズい
しかし凶悪なまでの中毒性があり、プレイすればするほど異常存在たちが織り成す、
精神が汚染されていくような世界観に呑まれていくだろう。
そしてこのゲーム、数年前から”ミーム汚染”などの言葉で有名になった、
”SCP Foundation”の影響をゴリゴリに受けている。

f:id:Kaitenshiki666:20200405055021p:plain

Secure Contain Protect.

SCP Foundation

一応、SCP Foundationについても簡単に説明しておく。
これはSCP財団という秘密結社が一般市民の目に触れないように『人智自然法則を超越した異常存在』を収容しているという設定のもと、それをどのような方法で管理しているかを報告書という体で提出し合うという、ネットの有志達による非営利型の共同創作サイトだ。
元々4chanの超常現象板のネット民が「怖い画像に都市伝説的な怖い話を付けて遊ぼうぜ!」といったテンションから派生したもので、初期の頃は、
・単純に画像が恐い SCP-087 ”吹き抜けた階段”
・単純に無茶苦茶強い SCP-682 ”不死身の爬虫類”
・触れただけで赤い結晶に侵蝕されて死に至る氷SCP-009 ”赤い氷”
・触れただけで死ぬまで激烈な苦痛に悶え続けることになる像SCP-596 ”忌まわしき再生の像”

などの『能力そのものが悍ましい』、『報告書の内容より画像の方が恐い』作品が多数を占めていた。
徐々にそういった作品は鳴りを潜め、技巧性に富んだ作品が展開されていくこととなったが……Lobotomy Corporationというゲームはこういった”異常存在”を収容して、なおかつ彼らの発するエネルギーを発電機的に流用するという、
発想そのものが異常なゲームになっている。
SCPが好きです! といった連中はこのゲームに確実と言っていいほどハマるだろう。
そして、自分もハマった。
ゲームは一日一時間とは言うが、この緊急事態宣言内の東京において、
俺が提言した”ゲームは一日十八時時間宣言”は、最早正義と秩序を約束する。
香川県議会、家でプレイステーションしていろ。
そして二度と家から出んな。
あ、別の話だった。すまない。
ともかく――ハマり過ぎて延々とプレイしていた。
数々の難所を乗り越え、ゲーム内時間に於いての35日目を迎えることが出来たが、
”やたら強いのはわかるが、どうせ収容出来るだろう”という甘い見立てで、
処刑弾が無い状態でALEPHクラス(収容違反、つまり脱走すると場合によっては施設自体に壊滅的な被害をもたらすレベルの異常存在)の”笑う死体の山”を収容してしまった。
正直ALEPHクラスのなかでは笑う死体の山は弱い部類に入るが、
こいつは施設内に転がっている死体を喰らうことでどんどん強くなり、
最終的には充分な装備を持っていたとしてもどうしようもないほどの脅威と化す。

f:id:Kaitenshiki666:20200411014315p:plain

形状的な問題で”だんご三兄弟”とか呼ばれている。まあ死体の”肉団子”だけどな。

ここまで読んで頂いた人にとっては、
・”ALEPHクラス”ってそもそも何だよ?
・処刑弾の意味もわからねえ!
・この肉団子が居るせいで何で詰みかけてんの?
などの疑問があるだろうが、
それはまた次回説明しようと思う。
このゲームは非常に面白いが、ゲームシステムが結構複雑なので、
順を追っていかないと説明するのが難しい。
ただ、何度も言う通り”非常に面白い”ので
興味がある人はプレイすることをお勧めする。
では、次回で。


※追記
途中で話に出した”SCP Foundation”。
これも一時期凶悪な不眠症になるほどハマりまくったのだが、
最近はあまり追えていない。
深い読解力や専門知識を必要とする作品が増えていったのは個人的に悪くなかったのだが、最近だと特殊ギミックを多用する作品がかなり増えている。

www.scp-wiki.netこの作品はギミックがとても秀逸で面白いのだが、
逆にギミックが秀逸過ぎて翻訳出来ないというジレンマを抱えている。
フリーホラーゲームで有名になったSCP-6789 ”サイレンヘッド”は割とシンプルな能力(といっても破滅的な被害を平気で引き起こすが)だが、
複雑化し過ぎたSCP作品群の”原点回帰”に近いものを感じる。
最も、SCP-6789”サイレンヘッド”は元々Siren Headというフリーホラーゲームに登場するモンスターを「こいつSCPにしねえか?」という感じで逆輸入された存在なので、
純粋な意味でのSCPオブジェクトとは少し違う。


Siren Head - Atmospheric PS1 Styled Horror Game with a Jaw-Dropping Monster


往々にして、最近のSCPは一読しただけでは「まるでわからんぞ!」となりやすい。
そういう場合はアニヲタwiki等を参照して欲しい。
それこそ有志達が解説してくれるので、思わぬ知識や発見に巡り合うことがある。
また、「取り扱い方を間違えれば人命だけでなく世界が滅ぶ」といった物騒な収容対象が多いなか、意外と可愛い奴もSCPには居る
SCP-999 ”くすぐりオバケ”
SCP-131 ”アイポッド”が代表格であり、
他にも”てめえなんぞヤク中のアル中になってしまえ”と願われたせいで、
本当にヤク中のアル中になってしまったランプの魔人(SCP-1481 ”ヤク中魔人”)など、
「お前、どうしてこうなった……汗?」と言いたくなるような哀しみとユーモアを抱えたものも多々存在する。
最近の作品だと、SCP-4338 ”ヴァルカン、破滅なるもの”がそれに該当する。
こいつは古来からオセアニア地域の火山内のマグマ溜まりに生息している超自然的な異常存在で、人間ではどうすることも出来ない程の力を持つ上に人身供儀を頻繁に要求するため、原住民たちからは超常的な畏怖の対象として恐れられ続けていたが、
ある事件がきっかけで、堕落したカウチポテト族のおっさんよりも落ちぶれてしまった
その顛末は実際に該当記事を読んでくれれば、と思う。最近のSCPのなかではかなり読みやすい部類に入る。
それでも「読むのめんどくせー」と思う人には、一応次回で解説する。

SCP自体も昔に比べて解説記事・動画が減ってきてしまったように感じるので、
時期があれば紹介していきたい。

よろしくおねがいします
ねこでした